帳簿の備え付けと保存義務
建設業許可を取得すれば、請負金額500万円以上の建設業の営業が認められ、工事を請け負うことができます。
その反面、建設業者には様々な義務を課せられることになります。
このページでは、建設業許可業者に対して課せられる代表的な義務である、帳簿の備え付けと保存の義務について解説します。
建設業の許可を受けた建設業者は、請負契約の内容を記載した帳簿を営業所ごとに備え付けておかなければなりません。
またその帳簿は、5年間保存しなければなりません。
発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものである場合は10年間保存しなくてはなりません。
帳簿に記載しなければならない内容は次のとおりです。
- 営業所の代表者の氏名及びその就任日
- 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する事項
・請け負った建設工事の名称、工事現場の所在地
・注文者との契約日
・注文者の商号、住所、許可番号
・注文者から受けた完成検査の年月日
・工事目的物を注文者に引き渡した年月日 - 下請け契約に関する事項
・下請負人に請け負わせた建設工事の名称、工事現場の所在地
・下請負人との契約日
・下請負人の商号、住所、許可番号
・下請け工事の完成を確認するために自社が行った検査の年月日
・下請け工事の目的物について下請け業者から引き渡しを受けた年月日
また、発注者と締結した住居を新築する建設工事の請負契約に関しては、上記に加えて次の事項が必要です。
- 郊外住宅の床面積
- 当該住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律施行令第3条第1項の建設新築住宅であるときは、二つ以上の建設業者それぞれの建設瑕疵負担割合の合計に対する当該建設業者の建設瑕疵負担割合
- 当該住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅建設瑕疵担保責任保険契約を締結し、保険証券又はこれに代わる書面を発注者に交付しているときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人の名称
また、特定建設業の許可を受けている者が注文者となって、一般建設業者(資本金が4,000万円以上の法人を除く)に建設工事を下請けした場合には、次の事項も記載しなければなりません。
- 支払った下請け代金の額、支払った年月日、支払い手段
- 支払手形ウィ交付したときは、その手形の金額、交付年月日、手形の満期
- 代金の一部を支払ったときはmその後の下請け代金の支払い残高
- 下請負人からの引き渡しの申し出から50日を経過した場合に発生する遅延利息の支払いに係る遅延利息の額・支払日
加えて、帳簿に添付しておかなければならない書類もあります。
次のようなものです。
- 契約書又はその写し
- 特定建設業の許可を受けている注文者(元請工事に限らない)となって一般建設業者(資本金が4,000万円以上の法人を除く)に建設工事を下請負した場合には、下請け代金の支払い済証、支払った年月日及び支払い手段を証明する書類(領収書等)またはその写し
- 特定建設業の許可を受けているものが注文者(元請工事に限る)となって、4,000万円(建築一式工事の場合はは6,000万円。一次下請け業者への下請け代金の総額で判断)以上の下請け契約を締結した場合には、工事現場に備え付ける施工体制台帳の以下の部分。
1)当該工事に関し、実際に工事現場に置いた監理技術者の氏名、有する監理技術者資格。
2)監理技術者以外に専門技術者を置いた時は、その者の氏名、その者が管路を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格
3)下請負人(末端までの全業者)の商号、許可番号
4)下請負人に請け負わせた建設工事の内容、工期
5)下請け業者が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名、有する主任技術者資格
6)下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときは、その者の氏名、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格