建設業許可の欠格要件
このページでは、建設業許可を受けるために該当してはならない欠格要件について解説しています。
欠格要件に該当するかどうかというのは、わかりやすく言えば、「今まで悪いことをしていなかったかどうか」ということになります。
証明方法は、「誓約書」(様式第6号)に署名、押印するだけで、特に確認資料が必要というわけでもありません。
自己申告なので、書類の作成に特に負担はありませんが、すべての役員について、欠格要件に該当していないかどうかを確認することは難しいことがあるかもしれません。
本人が隠していた場合、お互いの関係性において強く追及することができない等、十分に確認しているとは言いがいたい場合もあるでしょう。
とはいえ、申請した後、欠格要因に該当するようなことが判明した場合、当然許可はおりませんし、時間も費用も無駄になり、事業の運営に影響ができ来ることになるでしょう。
気になる点が少しでもあるならしっかりと確認しておかなければなりません。
それでは、欠格要因の中身を見ていきましょう。少し長くなりますが、建設業許可における欠格要因は次のとおりです。
建設業許可における欠格要件
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 不正な手段により許可を受けたこと等により、その許可を取り消され、その取り消しの日から5年を経過しない者
- 不正な手段により許可を受けたこと等と認定を受け、許可の取り消しに係る聴聞手続きの通知があった時から当該処分があった時までの間に、廃業の届出をしたもので届出の日から5年を経過しない者
- 建設工事の施工が不適切であるとして、営業の停止を命じられ、その停止の期間が経過しない者
- 許可を受けようとする建設業について営業を禁止され、その禁止期間が経過しない者
- 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 次の法律に違反し、又はh罪を犯したことにより罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・建設業法
・建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、景観法、労働基準法、労働者派遣法の規定で政令で定めるもの
・暴力団による不当な行為の防止等に関する法律
・刑法204条(傷害)、206条(現場助勢)、208条(暴行)、208条の2(凶器準備集合及び集結)、222条(脅迫)、247条(背任)の罪
・暴力行為等処罰に関する法律
- 暴力団員か又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 暴力団員等が、その事業活動を支配するもの
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が上記のいずれかに該当するもの
上記に加えて、申請書およびその添付書類に重要な事項について虚偽の記載があるとき、又は重要な事実の記載が欠けているときも欠格要因に該当することになり、建設業許可を受けることはできません。
許可の更新申請における欠格要件
更新申請をする場合は欠格要件の考え方はどうなっているのでしょうか。
建設業の許可は業種ごとに受けるものであることから、許可の取り消しを受けていないほかの建設業の許可がある場合は、その許可の更新をする必要があり、また、営業の停止や禁止は、許可の更新を認めないものではない、とされています。
したがって、許可の更新申請の時には、上記欠格要因のうち1および、6~10が欠格要因となります。
欠格要件に該当する以前から役員や政令で定める使用人であった場合
以前の許可を受けたときには欠格要件に該当しなかった役員等が、欠格要件に該当するようになってい待った場合のことです。
欠格要件に該当する以前から役員等であった場合には、それをもって直ちに許可の取り消し又は許可の拒否をすること否定されています。
これに該当するのは上記欠格要件のうち、1~3、5~7に該当する場合です。
前向きにとらえますと、違法行為を行い、罰金刑、禁固刑を受け、また過去暴力団員であっても、5年が経過すれば、再チャレンジできるということです。