経営規模等評価-技術職員数および元請完成工事高(Z)の概要と評点アップの考え方
この記事では、経営規模等評価の評価項目の一つである「技術職員数および元請完成工事高(Z)」について解説しています。
技術職員数および元請完成工事高(Z)の概要
技術職員数および元請完成工事高(Z)の総合評定値(P)に対する影響は、25%と完成工事高(X1)と同じく大きなものです。
技術職員数により、建設業者の技術力の評価を行い、元請としての能力として、元請完成工事高が評価項目となっています。
どちらも規模の大きな建設業者が有利になる項目と言えるでしょう。
技術職員数について
技術職員とは、次の要件を満たすものです。
- 一定の建設技術系国家資格保有者または実務経験者
- 審査基準日前6か月を超えて雇用されている者
上記の要件を満たせば、出向社員でも認められます。
また、定年後の継続雇用制度の適用者であっても技術職員として認められます。
また、1人の技術者が複数の資格を有していたり、複数の業種の資格を有していたとしても、同一の技術者に対して加点できるのは2業種のみとなっています。
複数業種で申請する場合は、どの業種にどの技術者を対応させるのかによって、評点数が変わることがありますので、十分に検討する必要があります。
元請完成工事高について
元請完成工事高は、発注者から直接請け負った工事の完成工事高です。
公共工事の元請負人として評価するという観点から、元請完成工事が評価項目となっているようです。
技術職員数および元請完成工事高(Z)のうち、元請完成工事高のみが占める割合は5%のみでそれほど大きなものではありません。
これは専門工事業者は元請になることが少なく、元請完成工事高の加点がほぼないということで、そのことに配慮したものと考えられます。
元請完成工事高は、完成工事高(X1)で選んだ2年平均または、3年平均が自動的に当てはめられ、自由に選択はできません。
技術職員数および元請完成工事高(Z)の評点をアップするための対策
技術職員数および元請完成工事高(Z)において、技術職員数の評点と元請完成工事高の評点の配分は、技術職員数が80%、元請完成工事高が20%と、技術職員数の方が配分が大きくなっています。
したがって、技術職員数の増加が、配点アップに効果的であるといえます。
技術職員数の評点アップの対策としては、次のようなことが考えられます。
- 資格の保有に対してインセンティブを与える
- 資格所有者に対して、上位資格の取得にインセンティブを与える
- 監理技術者講習等の修了に対してインセンティブを与える
技術職員の人数を単純に増やすだけでは人件費の増加という問題が発生しますので、より高い加点となるよう資格取得や講習の修了を促すよう、インセンティブを設定するのが効果的ではないかと思われます。
インセンティブは特別ボーナスや昇給など考えられますが、学習のための資金援助や有給休暇なども必要かもしれません。
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