建築業許可の区分
このページでは、建設業許可における許可の区分について解説しています。
建設業許可には許可をする権限に関する区分と工事の規模に関する区分の2種類の区分が存在しており、それぞれの区分に2つの区分があり、それらの組み合わせで、合計4種類に区分されています。
それでは中身を詳しく見ていきましょう。
権限による区分(大臣許可と知事許可)
建設業の許可は、許可を受けようとする建設業者が設置している営業所の所在地の状況により、許可権限を有する行政庁が異なり、次のとおり区分されます。
大臣許可
大臣許可は、2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合の区分です。
これは営業所が複数の都道府県にあるかどうかということであり、工事を施工する場所には関係ありません。
知事許可
知事許可は、一つの都道府県にのみ営業所を設置する場合の区分です。
同一県内にいくつ営業所があっても構いません。
営業所の所在地による区分であり、工事の施工が県内に限られるわけではなく、日本全国すべての都道府県の工事現場で施工することは可能です。
営業所について
大臣許可と知事許可の区分において重要な営業の定義について詳しく掘り下げてみましょう。
営業所とは、次のように定義されています。
営業所とは、本店又は支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所のこと
また、「常時請負契約を締結する」とは、次のように考えられています。
「常時請負契約を締結する」とは、請負契約の見積もり、入札等請負契約の締結のかかわる実体的な行為を行うこと上記の定義からすると、本店と支店は常に営業所ということになります。
つまり、本店や支店が常時建設工事の請負契約を締結する事務所でない場合であっても営業所である、ということです。
ただし、本店や支店の実態が何らない場合は、営業所とはみなされないでしょう。というかそのような会社はもともと問題がありますが。
つまり、本店や支店はほかの営業所に対して、請負契約に関する指導監督を行い、建設業にかかわる営業に実質的に関与しているはずであり、そのような場合は営業所に該当するということになります。
また、ある営業所が軽微な建設工事のみしか扱わないという場合、その建設工事の業種が建設業の許可を受けている業種であれば、建設業法に規制される営業所に該当するとされていますので注意が必要です。
工事の規模による区分(特定建設業と一般建設業)
続いて工事の規模による区分です。 特定建設業と一般建設業に区分されます。
特定建設業
特定建設業とは、発注者から直接請け負う1件の建設工事において、下請代金の額が一定額以上となる下請け契約を締結して施工しようとする場合です。
一定額以上の下請け代金とは、次のとおりです。
- 建築一式工事の場合、6,000万円以上
- 建築一式工事以外の工事の場合、4,000万円以上
1件の工事にかかわる下請け契約が2つ以上ある場合は、下請金額の総額であてはめます。
特定建設業という区分は、下請負人の保護を目的として設けられているもので、特定建設業は一般建設業と比較して、より厳しい許可基準、および法令上のいくつかの義務が課せられることになります。
一般建設業
一般建設業とは、特定建設業の許可が必要な工事以外の工事のみを施工しようとするものです。特定以外が一般です。
特定、一般の区分の例
次のような例を考えてみましょう。- 発注者 :土木一式工事を2億円でA社に発注
- A社(元請け) :B社へ7,000万円で下請け
- B社(1次下請け) :C社へ4,500万円で下請け
- C社(2次下請け)