建築業許可の財産的基礎要件
このページでは、建設業許可を受けるための要件の一つである財産的基礎要件について解説しています。
許可を受けて建設業を営むということは、一定額以上の工事を請け負うということであり、建設工事を着手するにあたり、資材の購入、労働者の確保、機械器具の購入等、多額の資金が必要となります。
このため、建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎を有していることが許可の要件となっています。
さらに特定建設業の許可を受けようとする場合は、多くの下請負人を使用して工事を施工するということを鑑み、一般建設業よりも重い要件となっています。
それでは具体的に、まずは一般建設業の許可における財産的基礎要件を見ていきましょう。
一般建設業許可の財産的基礎要件
次のいずれかに該当しなければなりません。
- 自己資本の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金を調達する能力があること
- 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績があること
上記の判断材料は、許可申請時の直前の決算期における財務諸表によるものです。
ただし、営業開始の後、決算期が未到来の場合は、法人にあっては、創業時の財務諸表によるものとされます。
自己資本とは
自己資本とは、次のようなものです。- 法人の場合、貸借対照表の純資産の合計額
- 個人の場合、貸借対照表の期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金の額を加えた額
資金を調達する能力とは
資本を調達する能力とは、次のように判断されます。
- 担保とすべき不動産を有していること等により、金融機関から借り入れる等の調達能力があるかどうか
新規申請の場合で、自己資本が500万円未満の場合は、申請日前30日以内における取引金融機関発行の500万円以上の融資可能証明書等が必要になります。
特定建設業の財産的基礎要件
次のすべての要件に該当しなければなりません。- 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金の額が2,000万円以上であること
- 自己資本の額が4,000万円以上であること
欠損の額とは
欠損の額とは次のようなものです。
- 法人の場合は、
貸借対照表の繰越利益剰余金が負であるときに、その額が資本剰余金と利益準備金とその他利益剰余金の合計額を上回る金額のこと - 個人の場合は、
貸借対照表の事業主損失が事業主借勘定の額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金を加えた額を上回る額のこと
流動比率とは
流動比率とは、貸借対照表の流動資産を流動負債で除して得た数値に100を乗じた数です。
資本金とは
資本金とは、次のとおりです。
- 法人の場合は、株式売社の払い込み資本金、持分会社等の」出資金額(貸借対照表の資本金)
- 個人の場合は、貸借対照表の期首資本金