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工期変更に伴い費用が増加したとき

建設業界の発展のためには、若い担い手の確保が必要であり、そのためには賃金等の処遇を改善していかなければなりません。

元請け業者と下請け業者の関係において、立場の弱い下請け業者へ様々なしわ寄せが存在すれば、労働者への適切な賃金水準が確保できないことにつながります。

そのことが若い担い手の流出、建設業界の発展を阻害することになりかねません。

したがって、元請業者と下請け業者の関係は法律に基づいた健全な関係でなければなりません。

この記事では、工期変更に伴い、工事に係る費用が増加したときに、違法となるおそれがある」事例を解説しています。
下請け業者の立場においても、自分の身を守るという観点から、その内容を知ることは重要であると考えます。

工期変更に伴い工事費用が増加した場合に違法となるおそれがある行為

次のような場合は、違法となるおそれがありますので頭の片隅に置いておいてください。

  • 下請業者に責任がないにもかかわらず、工事の遅れを取り戻すため、下請け業者に工期を短縮させ、これに伴い発生した費用の増加を、協議なしに下請け業者に負担させた。
  • 下請業者に責任がないにもかかわらず、完成期日に合わない恐れがあった場合に、何ら協議することなく、他の下請け業者と契約を交わし、又は、元請業者自身で労働者を手配し、工事を行い、その費用を一方的に下請業者に負担させた。
  • 元請業者の都合により、下請け工事が一時中断され工期を延長した場合に、これに伴って発生した増加費用を一方的に下請業者に負担させた。
  • 元請業者の都合により、元請業者が発注者と締結した工期をそのまま下請業者との契約に適用させ、これに伴って発生した増加費用を尉峰的に下請業者に負担させた。

工期の変更時には、変更契約を締結しなければなりません

当然のことですが、当初の契約時に、適切な工期を設定すべきです。

また、元請業者は、工程管理を適正に行い、工期に変更が生じないよう努力すべきであることは言うまでもありません。

しかし、様々な要因により、やむを得ず工期を変更しなければならないことは往々にして生じます。

このような場合には、当初契約と同様に、変更内容を書面に記載し、お互いに署名して、いわゆる変更契約を締結しなければなりません。

当然のことながら、元請下請間で十分に協議に、お互いに納得した内容でなければなりません。

元請業者が一方的に変更契約の締結を行わない場合には、法律に違反することになります。

下請業者に責任がなければ、増加した費用は元請業者が負担する

これも当たり前のことに思えますが、下請業者に何も責任はなく、元請業者の責任で、例えば、管理体制の不備などで下請け工事の費用が増加してしまったような場合、下請業者にその増加費用を負担させることは違法になります。

このような場合は、当然、元請業者が増加した費用を負担しなければなりません。

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