経営状況分析-営業キャッシュフロー(Y-x7)の概要と評点アップの考え方
この記事では、経営状況分析Yの経営指標の一つである「営業キャッシュフロー(x7)」について解説しています。
営業キャッシュフローの概要
キャッシュフローとは、企業の資金収支が健全であるかどうか判断する指標です。
通常キャッシュフローは、営業活動、投資活動、財務活動の3種類に区分されていますが、経営事項審査では、このうちの営業キャッシュフローだけを評点をつけるための指標として採用しています。
営業キャッシュフローの内訳は、次のとおりです。
- 経常利益
- 減価償却費
- 引当金(貸倒引当金)
- 法人税、住民税及び事業税
- 売掛債権(受取手形と完成工事未収入金の合計額)
- 仕入債務(支払手形と工事未払い金の合計額)
- 棚卸資産(未成工事支出金と材料貯蔵品の合計額)
- 受入金(未成工事受入金)
以上より直前2期分の平均値を求め、1億で除した数値を、経営事項審査における営業キャッシュフローとしています。
営業キャッシュフローの評点をアップするための対策
上に挙げた営業キャッシュフローの内訳において、評点がアップするのは次の表のとおりです。
営業キャッシュフローの項目 | 評点アップのためのプラス要因 |
---|---|
経常利益 | 多いこと |
減価償却費 | 多いこと |
引当金 | 増加していること |
法人税、住民税および事業税 | 還付金がある場合 |
売掛債権 | 減少していること |
仕入債務 | 増加していること |
棚卸資産 | 減少していること |
受入金 | 増加していること |
貸借対照表や損益計算書上では黒字で問題なくとも、実際にはキャッシュが不足して、黒字倒産ということがないように、キャッシュフローには注目しておかなければなりません。
評点アップのためには、毎月キャッシュフローをチェックし、問題がある場合は早期に対策を取るようにした方がいいでしょう。
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