経営規模等評価-自己資本額および平均利益額(X2)の概要と評点アップの考え方
この記事では、経営規模等評価の評価項目の一つである「自己資本額および平均利益額(X2)」について解説しています。
自己資本額および平均利益額(X2)の概要
自己資本額および平均利益額(X2)が総合評定値(P)に対する影響は、15%と完成工事高(X1)の25%と比較して少ないものとなっています。
しかし、以前は10%だったこともあり、その影響は高くなっており、評点の上限も2280点と高く、重要度は大きいと考えていいでしょう。
自己資本額について
自己資本額とは、貸借対照表における純資産の合計金額に当たります。
純資産額はおおむね、資本金と繰越利益剰余金の合計金額と考えて差し支えないでしょう。
繰越利益剰余金は、これまで建設業を営んできた利益の蓄積です。
つまり、評点X2は、利益を多く蓄積することができる強い経営体質であることで評価が上がるということになります。
また、X2における自己資本額は、審査基準日単独か、又は、直前2年の平均のどちらかを選択できます。
自社に有利な方を選択しましょう。
自己資本額がマイナスの場合は、0円とみなし、評点を算出することになります。
平均利益額について
X2における利益額は、営業利益に減価償却費を足し戻した金額です。
この営業利益に減価償却費を足し戻した金額の2年平均が評価の対象となり、これを平均利益額と呼んでいます。
営業利益に減価償却費を足し戻した金額、ということで、減価償却費が大きいほど評点が上がるということになります。
これは、自社で建設設備を多く保有しているほうが有利であるということです。
設備を有していないということは、自社で施工しないということにつながり、このような業者は評価が低くなります。
X2に置ける平均利益額は、直前2年平均の金額になります。
自己資本額のように、単年、2年の選択はできません。
また、マイナスになった場合は、0円として評点を算出します。
自己資本額および平均利益額(X2)の評点をアップするための対策
自己資本額および平均利益額(X2)の項目は、資本金の増額という手段を除いて、短期的な対策で評点をアップすることは難しいと考えられます。
したがって、自己資本額および平均利益額(X2)の評点アップのためには、長期的な視点における経営戦略が必要であるといえるでしょう。
自己資本額および平均利益額(X2)の評点アップの対策としては、次のようなことが考えられます。
- 増資を行う
- 設備投資を行う
設備投資に関しては、無計画に投資しすぎると負債が増える原因になることもあり、逆効果ですので計画的に行う必要があります。
毎期確実に利益を計上し、自己資本額を積み増ししていくことが王道であろうと思われます。
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